人が出会い 喜びつくる場に 元校長の稲葉泰樹さん 山荘風の交流施設「コーロ・グランデ」開設
静岡新聞 1999(平成11)年3月16日 掲載
元小学校長でアクリル画家の稲葉泰樹さん(61)がこのほど、沼津市大岡に自宅近くに展示スペースや創作教室、喫茶室などを持つ交流文化施設「コーロ・グランデ」を開設した。稲葉さんが所属する県東部の美術家集団「グループ風土」の小品展が14日から始まったのを皮切りに、4月から全面的に動き出す。
施設は木造2階建て延べ床面積400平方メートルで、ヨーロッパ山荘風の外観。一階は、展示室と喫茶室、二階は画廊と創作教室が入るほか、趣旨に賛同した英会話教室と美容室が出店する。約30台収容の駐車場を備える。
稲葉さんは、沼津市内の中学校美術教員を長く勤め、昨年3月に原校長を定年退職。自宅のある大岡地区に地域文化振興や情報交換の場をつくりたいと、40代の時から構想を温めてきたという。義父の故忠雄さんが大岡地区の連合自治会長や学校後援会長を務め、教育や文化振興に熱心だった事にも触発された。
「コーロ・グランデ」はスペイン語で「大合唱」の意味。施設内の各部分が全体でハーモニーを奏でるように名付けた。展示室は、約70平方メートルで、プロ・アマ問わない作品発表の場として低料金で貸し出す。画廊はある程度レベルを持つ作家が対象。創作教室では稲葉さんや妻の和子さん(60)らが、絵画や服飾リフォームなどを手ほどきする。
稲葉さんは「人と出会う喜びや作る喜びを分かち合いたい。これからの人生はこの退職金をつぎ込みました。」と話す。
画廊部分で開かれている「グループ風土」の小品展は油彩やコラージュ、版画など25点を展示し、27日まで。展示スペースの利用など、問い合わせは「コーロ・グランデ」(29-0569)へ。
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注)現在は9台です。